認知症の方とのコミュニケーション~入居者様との実践から学ぶ~

みなさんこんにちは!
子供7人を育てるフリーランスの作業療法士、岩崎です。

今日のテーマは
【認知症の方とのコミュニケーション
~入居者様との実践から学ぶ~】
です。

施設に入居している認知症の方との
コミュニケーション方法について、
実践を通じて学んだことをお話しします。

・認知症の方との会話に悩んでいる
・コミュニケーションの具体例が知りたい
・認知症ケアの質を上げたい

そんな方におすすめの内容です。
ぜひ最後までご覧ください!

目次

▼入居者様の状況

入居者様は、
以下のような状況でした。

・認知症の症状あり
・生活リズムが乱れがちな傾向
・ADLと認知機能の低下が進行中

特に課題だったのが、
会話が続かず、
コミュニケーションを取るのが
難しかったことです。

▼作業療法士による評価

入居後、以下のような評価を行いました。

言語能力:簡単な会話は可能だが、複雑な内容は理解困難
記憶:近時記憶の低下が顕著
興味・関心:昔の趣味(裁縫など)に関する話題に反応あり
リハビリへの態度:拒否なし、但し長時間の活動は難しい

特に以下の点でコミュニケーションの
改善が必要だと判断しました。

①岩崎からの会話が一方通行になりがち
②入居者様の質問に対する応答が限られている
③時間や状況に応じた適切な会話が難しい場合がある

▼具体的なコミュニケーション方法

これらの課題に対し、
以下の方法を実践することにしました。

1. 声のトーンの調整
理由
入居者様の聴覚機能や認知機能に合わせ、
理解しやすい話し方をするため

方法
・スピード、抑揚、速さを入居者様に合わせる
・徐々にボリュームを上げ、楽しい雰囲気を作り出す

2. 話題の選択
理由
入居者様が興味を持ち、積極的に会話に参加できるようにするた

方法
・入居者様が話しやすい話題を探す
・例:体調や住まいの話は避け、昔の趣味(裁縫など)について話す

3. 会話の発展
理由
会話を継続し、脳の活性化を促す

方法
・一度見つけた話題から徐々に広げていく
・入居者様の反応を観察しながら、楽しく続けられる話題を維持する

上記の内容を踏まえて、
日々のコミュニケーションを
以下のように実施していこうと考えました。

▼コミュニケーションを通じたリハビリテーション

会話を通じた脳の活性化
目的
コミュニケーションを通じて脳を刺激し、認知機能の低下を遅らせる

方法日常的な会話の中にリハビリの要素を取り入れる

例えば、こんな風に話をしています。

「おはようございます。今日は天気がいいですね。
窓の外を見ると気持ちがいいです。
あ、桜の木が見えますね。
私は毎年花見に行くのを楽しみにしているんです。
〇〇さんも花見は好きですか?」

このように、日常的な会話の中で
自然に認知機能を刺激する要素を
取り入れるようにしています。

▼認知症の方とのコミュニケーションで心がけること

1. 相手のペースに合わせる
急かさず、ゆっくりと対応することが大切です。

2. 非言語コミュニケーションを活用する
表情やジェスチャーを使って、言葉以外でも気持ちを伝えます。

3. 選択肢を提示する
「はい」「いいえ」で答えられる質問や、
 二択の質問を活用します。

4. 肯定的な言葉かけを心がける
できないことを指摘するのではなく、
できることを褒め、自信を持ってもらいます。

5. 繰り返しの話題でも対応
同じ質問や話題が出てきても、
初めて聞いたかのように丁寧に対応します。

これらの方法を用いることで、
入居者様とより良いコミュニケーションを築き、
穏やかな環境を作り出すことができます。

▼科学的根拠

実は、岩崎が実践している
コミュニケーション方法には
ちゃんとした根拠があるんです。

国立長寿医療研究センターが出している
「認知症の人とのコミュニケーション」
ガイドラインに書かれていることと、
岩崎のやり方がピッタリ合っていました。

声のトーン調整
ガイドラインでは”ゆっくり、はっきり、簡潔に話す”ことをおすすめしています。

話題の選択
  “その人の生活歴を知り、その人の興味・関心に沿った 話題を選ぶ”ことが効果的だと書いてあります。

会話の発展
  “その人の反応をよく観察しながら会話を進める”ことの大切さも強調されています。

このガイドラインでも、認知症の人との
コミュニケーションでその人の尊厳を守り、
個別性を重視することの大切さが
強調されているんです。

岩崎の経験と、
このガイドラインの内容が合っていたのは、
本当にうれしい発見でした。

参考:あたまとからだを元気にするMCIハンドブック「国立長寿医療研究センター」

▼まとめ

認知症の方とのコミュニケーションには、
以下の点が重要です。

1. 相手のペースに合わせる
2. 興味のある話題を見つける
3. 非言語コミュニケーションも活用する
4. 肯定的な言葉かけを心がける
5. 繰り返しを恐れない

これらのアプローチにより、
入居者様とより良い関係性を築き、
安心して生活できるよう支援していきます。

認知症の方とのコミュニケーションは
一朝一夕にはいきませんが、
一つひとつの小さな工夫の積み重ねが、
大きな変化につながります。

今後も入居者様の様子を注意深く観察しながら、
よりよいコミュニケーション方法を
探っていきたいと思います。

それではまた!

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