寝たきり改善への道:車いす生活を目指す2ヶ月間のリハビリテーション成功事例

みなさん、こんにちは!
子供7人を育てる30代フリーランスのOT岩崎です。

今日のテーマは
【寝たきりから車いす生活へ:2か月間のリハビリテーション実践と成果】
です。

作業療法士として経験した、ある入居者様の驚くべき回復の過程をお伝えしたいと思います。

・寝たきりの方のリハビリに関わっている
・リハビリの効果について知りたい
・介護負担の軽減方法を探している


そんな方におすすめの内容です。ぜひ最後までご覧ください!

目次

▼入所当初の状況

まず、この入居者様の初期の状態をお伝えします。

・バルーン装着
・寝たきり状態(要介護5)
・寝返りから全介助が必要
・腰痛
・活気無し

正直、この状態からの改善はかなりハードルが高いと感じました。

▼リハビリテーションの目標設定

しかし、初回訪問に入られたPTさんからの情報だとキッキングで筋出力を感じたり、関節可動域運動の効果が残っているような手ごたえを感じていると報告をもらいました。

そこまで状況が良いのであれば以下のようなことも可能だと考えました。

1. 移乗動作の介助量を軽減する
2. 腰痛を軽減する

この2点を達成できれば、入居者様の生活の質が向上し、介護者の負担も減らせると考えました。

▼リハビリテーションの内容と頻度

週3回、各60分のセッションで以下のリハビリを実施することに決まりました。

・関節可動域運動
・筋力強化エクササイズ
・座位保持練習
・立位練習

特に注目したのは、腰痛軽減のための筋の柔軟性向上です。
股関節の外旋筋の伸張性やハムストリングの柔軟性改善に力を入れました。

▼具体的な運動例:関節可動域運動

関節可動域運動では、マッサージのような受動的なアプローチだけでなく、本人様が自主的に筋肉を動かす能動的な運動を重視しました。

例えば、以下のような運動を行いました。

1. 膝関節の屈伸運動
ベッド上で仰向けになり、膝を曲げ伸ばしする。
10回を1セットとし、2セット行う。

2. 股関節の外転運動
横向きに寝た状態で、上側の脚を持ち上げて開く。
ゆっくりと10回繰り返す。

3. 足首の背屈運動
座位または仰臥位で、つま先を天井に向けて引き上げる。
10秒間保持し、これを10回繰り返す。

これらの運動を通じて、筋肉の収縮と弛緩を促し、
筋力の向上と関節の動きの改善を図りました。

▼直面した課題

リハビリを進める中で、いくつかの課題が明らかになりました。

・廃用症候群による筋力、体力の低下
・股関節から膝関節にかけてのハムストリングスの短縮
・股関節と骨盤の周囲の筋の硬さ
・易疲労性(すぐに疲れる)

特に立位練習では、「今日は勘弁してください」と言われることも。
無理強いせず、その日のコンディションに合わせて実施可能な範囲で行いました。

▼驚くべき結果

約2か月のリハビリを経て、驚くべき変化が見られました。

・寝返りや起き上がり時の痛みがほぼ消失
・移乗が軽介助で可能に
・30秒間の立位保持が可能に

わずか2か月で寝たきりから車いす生活へ、さらには一部自立した動作が可能になるまでの道のりは決して平坦ではありませんでしたが、諦めずに継続することで素晴らしい結果を得ることができました。

▼リハビリテーションの効果:統計データ

このケースのような劇的な改善は珍しいかもしれませんが、適切なリハビリテーションが効果的であることは多くの研究で示されています。

リハビリテーションによる介護負担軽減
国立長寿医療研究センターの研究では、在宅でのリハビリテーションプログラムを実施した群は、そうでない群と比較して6か月後の介護者の負担感が約30%低減したという結果が得られています。

このデータは、適切なリハビリテーションが入居者様の機能回復だけでなく、介護者の負担軽減にも大きく貢献することを示唆しています。

▼成功の鍵:考察

この事例から学んだ重要なポイントを挙げてみます。

1. 柔軟性の改善から始める
まずは股関節の柔軟性を向上させるための可動域運動から始めました。これが後の動作改善の土台となりました。

2. 小さな進歩を認識し共有する
リハビリの過程で、できるようになったことを具体的に伝え、変化を体感していただきました。

3. 自立を促す時間配分
セッションの中で、ご本人が自分でできることを少しずつ増やしていきました。これが自信につながり、積極的な参加を促しました。

4. 無理をしない
その日の体調に合わせて内容を調整し、長期的な視点で進めました。

▼まとめ

この事例は、適切なリハビリテーションと本人の努力があれば、わずか2か月でも大きな変化を生み出せることを示しています。

私たち医療・介護従事者にとって、この事例は希望と可能性を示すものです。これからも一人ひとりの可能性を信じ、寄り添いながら支援を続けていきたいと思います。

それではまた!

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