【実践報告】車椅子から歩行へ2ヶ月間のリハビリ成功事例

みなさん、こんにちは!
変わる介護の作業療法士、岩崎です。

今回は、ある入居者様の実際の
リハビリテーション事例を
ご紹介したいと思います。

車椅子での生活から、
歩行が可能になるまでの
2ヶ月間の取り組みについてお伝えします。

目次

事例の概要

入居者様は、心疾患と骨折の既往があり、
認知症の診断を受けておられました。

週1回60分のリハビリを2ヶ月間実施し、
生活における歩行機会の獲得を目指しました。

初期評価

最初にお会いした時、
身体機能は比較的良好で、
心疾患はあるものの運動時の症状は見られず、
骨折の既往も現在は痛みがない状態でした。

立位時には支持物や介助が必要でしたが、
歩行への意欲をしっかりとお持ちでした。

また、認知症はありましたが、
無理をせず慎重に行動される方でした。

リハビリテーションのアプローチ

私たちは入居者様との関わりの中で、
まず安全性の確認を最優先としました。

心疾患をお持ちの方でしたので、
運動時の胸部症状の有無を細かく確認。

また、骨折の既往もあったため、
痛みの出現についても慎重に観察を行いました。

さらに、認知症による
過度な運動のリスクも考慮し、
運動時の疲労度を
常にチェックしながら進めていきました。

運動の進め方

歩行練習は、
平行棒での練習からスタートしました。

ここで特に注目したのは、
痛みなく歩行動作が可能だったことです。

この発見が、
次のステップへの大きな自信となりました。

その後、4輪付きピックアップ歩行器を
使用した練習へと移行。

実際の生活空間での動作を想定し、
お部屋から食事の席までの動線で
練習を重ねていきました。

歩行距離は、
入居者様の状態を見ながら
徐々に延長していきました。

このプロセスで特に重視したのが、
施設スタッフとの連携です。

リハビリでの歩行の様子を
実際に見ていただくことで、
生活場面での実施可能性を
具体的に検討することができました。

スタッフの方々と
一緒に安全な歩行方法を確認し、
見守りのポイントを共有したことで、
より実践的な支援体制を築くことができました。

生活への導入

リハビリ室での成果を
実際の生活に活かすため、
私たちは段階的なアプローチを取りました。

まず、リハビリ職による十分な
安全性の確認を行い、
その結果を基に施設スタッフと
具体的な実施頻度について話し合いを持ちました。

この段階で重要だったのは、
ご本人様と施設スタッフへの丁寧な説明です。

実際の歩行場面を見ていただきながら、
安全性の確保と期待される
効果について説明を行い、
ご理解とご協力をいただきました。

その後、4輪付きピックアップ歩行器を
準備し、実際の生活場面での
実践をスタートさせました。

私たちが大切にしていること

週1回60分という限られたリハビリ時間の中で、
私たちが最も大切にしているのは、
その時間を生活改善のための
きっかけ」として活用することです。

リハビリ時間内での機能回復は
もちろん重要ですが、
それ以上に、
その成果をいかに日常生活に
活かせるかを常に考えています。

そのためには、
入居者様の生活環境や習慣を深く理解し、
実現可能な目標を設定することが不可欠です。

また、施設スタッフやご家族様との
緊密な連携も重要な要素となります。

私たちは、リハビリテーションを通じて、
入居者様の「できる」を増やし、
それを生活の中に
定着させていくことを目指しています。

成果と今後の展望

2ヶ月間の取り組みを通じて、
以下のような具体的な成果が得られました。

お部屋から食事席までの往復歩行が可能に

  • 4輪付きピックアップ歩行器の使用
  • 安全な動線の確保
  • 施設スタッフの見守り体制の確立

施設スタッフと協力した歩行機会の確保

  • 施設スタッフへの実演を通じた安全性の共有
  • 実施可能な頻度の設定
  • 日常的な見守り体制の構築

心疾患や骨折の既往に配慮した安全な歩行の実現

  • 胸部症状の確認
  • 疲労度のモニタリング
  • 段階的な距離の延長

おわりに

リハビリテーションは、
限られた時間の中でいかに
生活に活かしていけるかが重要です。

今回の事例では、
週1回60分という限られた時間から始まり、
チーム全体での支援により、
生活の中での歩行機会を
実現することができました。

これからも変わる介護は、
入居者様の可能性を最大限に引き出し、
生活の質の向上につながる
リハビリテーションを提供してまいります。

それではまた!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次