【超重要】事例で解説!リハビリの目標設定

みなさんこんにちは! 
変わる介護の子供7人を育てる30代OTの岩崎です。

今日は、施設に入居されている認知症の方の
リハビリ回数について、実際のケースを元にお話しします。

歩行能力の向上に焦点を当てながら、
転倒予防という重要な観点も含めて、
リハビリの頻度や目標設定についてお伝えしますね。

目次

▼入居者様の状況 

今回お話しする入居者様はこんな感じです。

・認知症の診断あり
・平行棒を使用して歩行練習が可能
・歩行器を使用すれば見守りレベルで歩行可能
・自宅では主に車椅子を使用していた
・しかし、以前は歩いていたという話がある

この方の特徴は、歩く能力自体は比較的高いということ。 

身体的には歩行の可能性があるのに、
日常的には車椅子を使用していた状況なんです。

▼課題

歩行能力を引き出しつつ、転倒リスクに備える
このケースの主な課題は二つあります。

1.入居者様の潜在的な歩行能力を最大限に引き出し、日常生活でも活かせるようにすること
2.歩行能力向上に伴う転倒リスクを最小限に抑えること

これらの課題に対応するために、
適切なリハビリ回数を設定し、
効果的かつ安全なプログラムを組む必要があります。

▼リハビリ回数と目標の設定

リハビリの回数と目標を決める際、
以下の点を考慮しました。

1. 認知機能への配慮
2. 身体的な負荷
3. 生活リズムとの調和
4. スタッフの対応可能性
5. 転倒リスクの管理

これらを踏まえ、
私たちはこんなアプローチを提案しました。

・リハビリ頻度:週2回、各セッション60分
・目標:自室から食堂まで安全に歩けるようになること

▼週2回のリハビリプログラム

具体的なプログラム内容は以下の通りです。

・下肢の筋力強化
・バランス練習
・歩行練習

の3つです。

なるべく寝ている時間を減らし、
離床している時間を増やしていきたいと考えています。

▼岩崎の考察

では、なぜこのような頻度と目標を設定したのか、
岩崎の考えをお話しします。

まず、週2回の設定理由ですが、
週1回では運動の時間が少なく、
持っている力が失われてしまう可能性があるんです。

かといって、いきなり週3回以上に増やすと、
身体的負担が大きくなりすぎる恐れがあります。

そこで、まずは週2回60分でリハビリをスタートし、
入居者様の反応を見ながら調整していくことにしました。

目標設定

「自室から食堂まで歩けること」を目標としました。
この目標には以下の利点があります

・具体的で分かりやすい
・日常生活に直結している
・達成感が得られやすい
・スタッフと入居者様で共有しやすい

そして、段階的なアプローチも大切です。

この目標が達成できたら、
リハビリの実施頻度や新たな目標を再設定します。

▼転倒リスクへの対策

しかし、この入居者様は認知症もあるため、
歩行能力の向上に伴い、
転倒のリスクが高まる可能性があります。

以下の対策を講じることで、
このリスクを最小限に抑えます。

1. 環境整備
2. 適切な補助具の使用
3. 転倒予防エクササイズの実施
4. 定期的なリスク評価

▼まとめ

認知症の方の歩行能力向上と転倒予防について、
ポイントを整理します。

リハビリ頻度

週2回、各60分のセッションから開始

具体的な目標設定

「自室から食堂まで歩けること」

転倒リスク管理

環境整備、適切な補助具の使用など
このアプローチには科学的根拠もあるんです。

週2-3回の運動介入が高齢者の身体機能改善に
効果的であることが示されています。

適切な頻度でのリハビリテーションは、
高齢者の歩行能力や日常生活動作の改善に
有意な効果があることが報告されているんです。

安全性と生活の質の向上、
この両方のバランスを取りながら、
粘り強くサポートを続けることが大切です。

それではまた!

参考文献

[1] Sherrington, C., et al. (2017). Exercise to prevent falls in older adults: an updated systematic review and meta-analysis. British Journal of Sports Medicine, 51(24), 1750-1758.

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