みなさん、こんにちは!
子供7人を育てる30代フリーランスの作業療法士、岩崎です。
今日は、認知症の方へのリハビリについて、
みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
特に、「なぜ毎回同じようなプログラムをやるの?」
という疑問に答えつつ、
最新のアプローチまでお話ししていきますね。
まずは、ある入居者様のお話から
僕が担当している入居者様の中に、
こんな方がいます。
・認知症の診断はあるけど、一人で歩けちゃう元気な方
・昔、骨折したことがあるんだけど、今は大丈夫
・エアコンの消し忘れとか、予定を忘れちゃうことはある
・でも、ちょっと声をかければ、安全に過ごせる
この方に僕は毎週同じような
リハビリプログラムをやっています。
関節を動かしたり、筋力をつけたり、
歩いたり、バランスを取ったり、
段差を上り下りしたり…。
「え?毎回同じことやっていいの?」って思いますよね。
実は、これには理由があるんです。
なぜ同じプログラムを続けるの?
一番の理由は、転んでほしくないから。
認知症の方が転んで骨折したり
頭を打ったりしたら、生活が一変しちゃうんです。
それを何としても避けたい。
毎回同じことをやっていると、
「あれ?今日はいつもより足が上がらないな」
「息が切れるのが早くなったな」
とか、小さな変化に気づきやすくなるんです。
これ、すごく大事なんです。
なぜって、こういう小さな変化に早く気づけば、
転ぶ前に対策が打てるから。
例えば、
杖を使ってもらったり、
部屋に手すりをつけたり。
それに、認知症の方って
自分の体調の変化を
上手く伝えられないことが多いんです。
だから、私たち専門職が
気づいてあげないといけない。
同じプログラムを続けることで、
その人の「いつも」が分かるようになるんです。
でも、ただ同じことをやるだけじゃないんですよ
ここからが今日の本題。
同じプログラムをベースにしつつ、
最近は「二重課題」というのを取り入れています。
これ、簡単に言うと「体を動かしながら頭も使う」ってこと。
例えば、歩きながら数を数えたり、
ストレッチしながら野菜の名前を言ったり。
なんでこんなことするかって?
それが認知症予防に効果があるからです!
実際、2021年の研究では、
こういう二重課題トレーニングを12週間やったら、
認知機能テストの点数が15%も上がったんだとか。
歩く速さも10%速くなったそうです。
すごくないですか?
転倒予防のコツ
それから、転倒予防のコツもお伝えしておきますね。
注目してほしいのは、すり足とか足の引っかかり。
これが出てきたら要注意です。
リハビリ中や普段の歩き方で
こういうのが見られたら、
すぐに詳しく体のチェックをします。
早めに気づいて対策を立てれば、
転倒は防げるんです。
入居者様にも役割を
最後に、
最近特に気をつけていることをお話しします。
リハビリって、ついつい「やってあげる」って考えがちですよね。
でも、それだけじゃダメなんです。
入居者様自身にも役割を
持ってもらうことが大切なんです。
例えば、体操のリード役をお願いしたり、
他の入居者様のサポート役になってもらったり。
植物の水やりとか、
簡単な作業をお願いすることもあります。
これ、実は効果があるんですよ。
2019年の研究では、
特別養護老人ホームでお茶を配るなどの
簡単な役割を持ってもらったら、
6ヶ月後にはうつ症状が30%も減って、
日常生活の自立度も20%上がったんだとか。
役割を持つことで、
自信がついたり、
生きがいを感じたりできるんですね。
まとめ
いかがでしたか?
認知症の方へのリハビリって、
一見単純そうで、
実はいろんなことを考えながらやっているんです。
同じプログラムを続けることで小さな変化に気づく。
二重課題で脳と体を同時に鍛える。
転倒の前兆に早めに気づいて対策を立てる。
そして、入居者様自身に役割を持ってもらう。
これらを組み合わせることで、
認知症の方の生活の質を
少しでも高められたらいいなと思っています。
みなさんも、ご家族のケアをする時に、
こういったポイントを意識してみてください。
きっと、新しい発見があると思いますよ。
それでは、また!
参考資料
1. 二重課題トレーニングの効果について
[認知症の人の生活機能向上につながる運動の科学的根拠 – 国立長寿医療研究センター](https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-sankou7-1.pdf)