高齢者の歩行機会を増やす!介護施設でのリハビリ実践法

みなさんこんにちわ!
子供7人を育てる30代フリーランスの作業療法士、岩崎です。

今日のテーマは
施設での安全な歩行機会の作り方
です。

「歩きたい」という入居者様の希望。 
でも施設内で安全に歩いてもらうって、
正直難しいですよね。

今日はこの難しい課題について、
実践的なアプローチをお話しします。

・入居者様の希望を叶えたい
・でも安全性が心配
・スタッフの負担も考えなきゃ…

そんな悩みを抱える方に おすすめの内容です。
ぜひ最後までご覧ください!

目次

▼安全な歩行機会を作る3つのポイント

さて、安全に歩行機会を作るには 3つのポイントがあります。

1.バイタルサイン
2.所要時間
3.介助量

    順番に見ていきましょう。

    1. バイタルサイン

    これが一番大事です。

    血圧、脈拍、血中酸素濃度が
    安定していないと、
    歩くこと自体が危険になってしまいます。

    毎回チェックするのは大変かもしれませんが、
    ここは絶対に外せません。

    実は、この考え方には科学的な裏付けがあるんです。

    2020年の研究では、
    高齢者の身体機能評価において
    バイタルサインの重要性が強調されています[1]。

    特に、歩行能力と血圧、心拍数との
    関連性が示されているんです。

    だからこそ、
    歩行前後のバイタルサイン確認が
    とても大切なんですね。

    2. 所要時間

    「歩きたい」気持ちはわかります。

    でも極端に時間がかかると、
    他の入居者様や職員さんに
    影響が出てしまいます。

    例えば、食事の時間に間に合わなくなったり、
    職員さんの業務に支障が出たり…

    そうなると、継続的に歩く機会を
    提供するのが難しくなってしまいます。

    3. 介助量

    正直、これが一番のネックかもしれません。

    人手不足の施設がほとんどですよね。
    だから、できれば見守り程度で
    歩ける方が理想的です。

    中等度以上の介助が必要だと、
    毎日の実施は難しくなってしまいます。

    ▼具体的にどう評価する?

    では、これらのポイントを どう評価すればいいのか。
    私なりの方法をお伝えします。

    1. バイタルサイン

    これは数値で判断できます。
    個人差はありますが、一般的には

    ・血圧:100-140/60-90mmHg 
    ・脈拍:60-100回/分 
    ・SpO2:95%以上

    が目安になります。

    でも、これはあくまで目安。
    主治医や看護師さんと相談して、
    個別の基準を決めるのがベストです。

    2. 所要時間

    これは難しいところですが、
    施設の状況によって
    変わってきますので、
    柔軟に考えましょう。

    3. 介助量

    これは以下のような分類で考えています。

    ・最適:見守りのみ 
    ・許容範囲:軽度の介助(バランスを崩した時の支え程度) 

    中等度以上になると、
    日常的な実施は難しくなりますね。

    ▼施設にどう提案する?

    さて、評価結果が出たら、
    次は施設への提案です。

    ここがポイントになるので、
    しっかりお伝えしますね。

    1.具体的な数値を示す

      「○○さんの場合、
      居室から食堂までの歩行に 約7分かかり、
      見守り程度の介助で 安全に歩行可能です。」

      こんな感じで、具体的な数字を示すと
      イメージしやすいですよ。

      2.メリットを明確に

        「定期的な歩行により、
        ○○さんの筋力維持や 気分転換につながり、
        QOLの向上が期待できます。」

        入居者様にとってのメリットを
        明確に伝えることが大切です。

        3.リスク管理策を提示

          「歩行前のバイタルチェックと、
          歩行中の定期的な休憩を設けることで、
          安全性を確保できます。」

          安全面の配慮も忘れずに。

          4.段階的な導入を提案

            「まずは週2回、昼食時の歩行から始め、
            徐々に回数を増やしていくことをお勧めします。」

            いきなり毎日は難しいかもしれません。
            段階的な導入を提案するのがコツです。

            5.評価期間の設定

              「1ヶ月間試行し、その結果を基に
              再評価と調整を行いましょう。」

              定期的な見直しの機会を設けることで、
              より安全で効果的な実施が可能になります。

              ▼まとめ

              今日は安全な歩行機会の
              作り方についてお話ししました。

              ポイントは3つ。 

              ・バイタルサイン 
              ・所要時間 
              ・介助量

              これらを適切に評価し、
              施設の状況に合わせて提案することで、
              入居者様の「歩きたい」という希望を
              安全に叶えることができます。

              簡単なことではありませんが、
              一つひとつ丁寧に対応していくことで、
              必ず道は開けると信じています。

              それではまた!

              参考文献
               [1] Hartley, P., et al. (2020). “Measuring physical performance in highly active older adults: associations with age and gender?” Aging Clinical and Experimental Research, 32(6), 1077-1085.

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